僕 「腰が痛いんですよね?」
お爺さん 「わし腰は痛くないで」
そんな会話を数分。一度、通電を止め、鍼をすべて抜きました。
その後、動けなかったお爺さんに起きてもらい部屋の中を歩いてもらいましたが、立って歩けるものの足がガクガクと震えています。
お爺さんは「腰なんか痛いことおへんで。ほら歩けるやろ?」とおっしゃいます。
僕の頭のなかに?????がイッパイ飛び考えました。
「中枢性のものかも!?」と思い、治療の様子を見ていた奥さんに「頭から来ているかも。。。歩き方もパーキンソンのような歩き方だから。」と伝えた所、しばらくしてから奥さんが「実はお父さん認知症で、アリセプト(認知症薬)を服用してはんねん。」とおっしゃいました。
恐らく、お爺さんはこけたショックで「脳血管性の認知症」がドカンと出たように思います。
頭の事なので奥さんに、検査に行ったおいた方が良いと思うと伝えたものの、今後が心配でなりません。
その後、腰は本当に痛くない事が分かったため、仰向けに寝てもらって震える足(主に大腿部)に鍼通電し、関節をほぐすための足の運動療法を施して治療を終えました。
気になる足の震えも少し治まり、お爺さんはご自身で部屋着に着替えられ、元気さをアピールされてました。
仮に脳血管性の認知症だとしても、ショックや中枢の病気は怖いものだな!と痛感いたしました。
鍼灸の仕事をするようになって10年くらい。これまでいろいろな経験を積んで来たので対応できたんだな。と実感しました。